曲の最後を、どんな風に聴くか
曲の最後を、どんな風に聴くか。
レッスンの中でも、最後の音の扱い方、演奏後の立ち振る舞いについては少しずつですが伝えています。
小さいお子さまの場合、曲が終わるか終わらないかぐらいのタイミングで、私や付き添いのお母さまの顔を「どう?」いう感じで可愛らしい笑顔で見つめてくる生徒さんもいます。
その表情はとっても可愛らしいのですが、最後はとても大切なので「どうだった?」の気持ちはちょっとだけ我慢して、最後まで集中するように話しています。
曲の最後の音が鳴りやむまで、その響きを聴き届け、その曲の世界を静かにしめくくる。
このことを私に気づかせてくれたのは、中高時代の恩師です。
私が中高時代にお世話になった先生は、最後の音の切り方を丁寧に分かるまで教えてくださいました。
レッスンに伺うと最後の音の響きが消える瞬間まで、先生が目をつぶって静かに聴いてくださいます。
私が中途半端にペダルをあげたり、変なタイミングで手を鍵盤から離したりすると『もう一度、やってみて。音の響きの波をちゃんと聴いていれば、どこか(どこで切るべきか)分かるわよ』と何度も、一緒に聴いてくださいました。
「音の響きの波とは?」と思いながら必死で耳を澄ますと、波が見えたよう瞬間が、あったように思います。
先生のやり方を押しつけるのではなく私の耳や感覚を信じて付き合ってくださっていたのだと思います。
そんな先生の姿を見て、曲の最後はとても大切なものだと自然に教えていただきました。
自分が教える立場になって思うことは、どんなに短い曲でも最後の音まで、聴き届けることが、大切だということです😊🎶
私も尊敬する恩師のように、少しでもそのことを伝えていきたいです。